不動産売買を行うさいには、さまざまな法的な手続きを経る必要がありますし、またそれらの行動によって多額の費用や税金も掛かってきます。このため単純に売買すれば良いといった考え方では、余分なお金を支払うことになります。個人が保有する不動産では抜け道はありませんが、企業が保有している不動産では企業ごと売買する企業買収という選択肢があります。この方法は企業そのものを精算してしまいたいといったケースで有利であり、企業買収で一括して不動産を売却するというものです。これによって売り主としては手取りを最大限に増やすことができるメリットがあり、また購入する側にとっても購入費用を最小限に抑えることができるメリットがあります。

企業買収を利用した不動産売買を行って良いケースとしては、賃料収入のみを事業内容としている点や、不動産を売却することで事業の大幅な見直しを迫られるといったケースです。いずれにしてもその企業の廃業を前提としたケースになります。企業買収を行うことによって不動産を売却するメリットとしては、不動産譲渡ではなく有価証券譲渡という形式になるためです。不動産譲渡を行うとそれによって得られた利益は企業の利益となるため課税の対象となり法人税を支払う必要があります。一方で企業の株式を売却するといったケースでは株式譲渡益という扱いになり、また企業が利益を得るのではなく株主が売却するので法人税が掛からず税率を圧縮することができます。このためケースによっては企業買収を利用した方が、2倍程度の得られる利益に差が発生します。

【一言】
収益性のある不動産を保有するさいには法人化する方がメリットが多くあるわけですが、一方で他人に詐取されるリスクもあるわけです。
まあ、個人で不動産を持っていても詐取される可能性はあるんでどっちもどっちですが、やはり税金面の優位性を考えるとそれなりの利益を得ているのであれば税理士を入れて法人化した方が良い感じです。

ただし、注意しなきゃいけないのが、その株を担保に融資を受けるといった行為を行った場合。ちゃんと返済できれば問題ないですけど、そうでない場合には担保として没収されるリスクがあります。特に株主が多くなればなるほどこのトラブルリスクが高くなるので、そのあたりも考えておかなきゃいけません。


んま、そんな土地持ちになれるほどのお金なんてありませんが。