不動産投資において、もっとも頭を悩ますのが空室の問題です。不動産投資のうち賃料を得ることで収益化するインカムゲインでは、誰かが利用してくれることではじめて収入が発生します。このため空室を出さないことが収益率を維持する上で重要な課題となります。一方で、実際に空室を埋めるには相応の努力が必要ですし、努力も実らないこともあります。このような時にメリットがあるのが一括借り上げです。一括借り上げはサブリースとも呼ばれるもので賃貸物件そのものをサブリース会社などに貸し付けるというものです。仕組みとしては不動産所有者のオーナーが会社などに一括して貸し付けることで、そこから賃料を得ます。貸し付けを受けた会社は、不動産を運用することで賃料を得るというものです。賃料は一括借り上げしている会社から一括して支払われるので、空室に関係なく安定して収入を得ることができます。

一括借り上げはメリットが多いように見えますが、実際のところはトラブルも多くトラブルを避けるためにはあらかじめその仕組みや問題点を理解しておく必要があります。例えば賃料にしても直接、借り主に貸し付けるよりも減ります。これは一括借り上げを行っている会社も収入を得なければならないためです。このため得られる賃料は、フルに運用できた場合よりも2、3割程度減ることになります。ただ、ここには管理費が含まれるのでそれらも計算に入れておく必要があります。またトラブルとして多いのが契約更新です。一括借り上げでも通常の賃貸経営と同様に更新をすることになりますが、この更新のさいに賃料の値下げや場合によっては更新しないといったケースもあります。これらは予め契約書に書かれていることも多いため一括借り上げを利用するさいには賃貸借契約書を理解する能力が必要になります。