家の内壁の多くはクロスと呼ばれるシートを貼り付けています。一般的なクロスは布や紙、ビニールなどが使われており柄や模様など多用で輸入住宅で外国の雰囲気を演出する上でも重要な建材です。またシートを貼り付けることで簡単に交換することができるメリットもあります。このクロスで、新しいものとして珪藻土を塗布したものがあります。
一般的なものでは布や紙、ビニールといったものが使われていますが、いずれの場合にも糊を使ってベースとなる壁に貼り付けます。珪藻土クロスは、この素材に珪藻土を使ったものです。
珪藻土は藻類の一種である珪藻の殻の化石からなる堆積物でダイアトマイトとも呼ばれるものです。産出される時は石のような状態で、石の状態から加工するほか、これを粉砕して固めることも可能で耐火性と断熱性に優れているといった特徴があります。
珪藻土は、漆喰のように塗る壁に塗ることが可能ですが、この場合には施工にはある程度の熟練が必要になります。一方でクロスに塗布したものであれば貼り付けるだけなので短時間で施工できるメリットがあります。また電気を通さない性質を持っており、耐火性を持っているのですぐに燃え上がるといったことがありませんし、また細かい穴が無数に開いているため吸湿性や断熱材としても強みもあります。
デメリットとしては表面がザラザラしているということです。紙、ビニールなどの素材の場合には汚れても拭き掃除が可能ですが、細かい粒子が塗布されているため、汚れても拭き掃除が出来ません。このため一度汚れるとその部分だけ汚れ落とすということは難しくなります。
貼るための下地の状態が悪いと短期間で剥がれることがあり、また施工直後は良くても時間経過とともに剥がれてしまう可能性もあります。
珪藻土クロスは、汚れが付くと掃除しにくいのがデメリットですが、手垢汚れの場合には消しゴムなどで軽くこすることである程度取ることができます。また飲食物などの水汚れはティッシュペーパーや乾いた布などで吸い取るように汚れを取る方法があります。またホコリはハタキを使って取ることがポイントです。特にホコリが表面に存在すると吸湿性が低下します。
いずれにしても、強くこするなどすると表面が剥がれてしまうため、軽い力で行うことがポイントです。
珪藻土クロスは住環境を良くすることや、輸入住宅などにある珪藻土の壁を演出する上で便利な建材です。また簡単に施工することができるのも魅力ですが、一方でメンテナンス性はやや悪いため日頃からのお手入れが健全な状態を保つためにも重要になってきます。